教育を通じた地域づくりの未来を語り合う「夢ビジョン2020オープンセッション」イベントレポート

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超高齢化社会が進む地域の未来を、教育を通じて変えることはできるでしょうか?
2014年9月10日に行われた文部科学省が主催の「夢ビジョン2020オープンセッション」に参加して、教育を通じた地域づくりの活動を取材してきました。

 

誰も経験したことのない人口減少、超高齢化社会時代の中で、2020年に向けて私たち一人一人ができること、また、より良い地域をどうデザインしていくか?が今回のテーマです。

教育を通じた地域づくりに取り組んでいる3人のゲストと、文部科学省夢ビジョン実現プロジェクトチームの久芳さんがモデレータを務め、オープンなディスカッションを行いました。

<ゲスト>

  • 藤岡 慎二さん(隠岐國学習センター教育ディレクター/株式会社GGC代表取締役)
  • 松本 理寿輝さん(ナチュラルスマイルジャパン株式会社 代表取締役)
  • 南郷 市兵さん(文部科学省参事官付[連携推進・地域政策担当]専門職)

▼左から、藤岡さん・松本さん・南郷さん・久芳さん

プロフィール

 

離島の教育格差をなくす「島根県立隠岐島前高校魅力化プロジェクト」

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最初に、離島の教育格差是正のため島根県・隠岐島前で「島根県立隠岐島前高校魅力化プロジェクト」に取り組んでる藤岡さんからお話がありました。

島根県立隠岐島は、「人口減少」「少子高齢化」「財政難」の3つの地域の課題を抱えていました。
地域の高校がなくなると、子供連れの家族も減るという悪循環に陥ります。

そこで、「高校魅力化プロジェクト」を行い、将来的に「仕事をつくりに地元に帰りたい」という高校生が増えるような取組みを行いました。

まずは島全体が学校に、地域の方が先生となり、地域の課題を解決する実践型のカリキュラムの作成です。また「高校連携型教育塾」をつくり、ひとりひとりの生徒に最適な進路の実現しました。さらに「夢ゼミ」という地域の課題を解決する、自分のプロジェクトを持つことで、生徒は自分事として地域の課題に取り組む力を身につくことができます。

このような取組みにより、「新入生の5割が島外から入学」「国公立大学への合格率が5割」「1学級の生徒数も2倍(40→80人)」と確実に成果を出しています。

 

街ぐるみで子育てができる「まちの保育園」

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続いては、「まちの保育園」を設立した、松本さんからのお話です。
現代の子どもたちは、家庭と保育園の往復で地域との関わりが希薄化しています。子どもの0-6歳の人格形成期に、家では母親、保育園では若い保育士の女性と接しており、若い女性に偏っています。さらに、子どもたち同士で関わりあう時間的、空間的余裕がなくなっています。

地域では定年した団塊世代や、子離れした母親などなどがいるのに、多様な人と子どもが関わる機会がありません。これまで地域ぐるみでの子育てに取り組めなかった理由としては、下記の2つだといいます。

・以前は自然にできていた事だが、今は仕組みがない
・何か事件が起こらないよう、安心安全の確保が最優先されている

そこで、松本さんは子どもたちの安心安全を確保しながら、街ぐるみで子育てができる「まちの保育園」を小竹向原に創設しました。今では六本木、今後は吉祥寺などにも開設し、他の地域でもコミュニティづくりに貢献しています。保育園が、子どもと大人が豊かに繋がりあう地域のインフラになっています。

 

東北の学生が東北の魅力を世界に伝える「OECD東北スクール」

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次は、東北の創造的復興の取組みを行っている南郷さんです。南郷さんは今でも週に2〜3回は東北に行っており、東北から未来型教育をつくり、全国に広めようとしています。

南郷さんは「OECD東北スクール」という、東北3県の100人の中学生の子どもたちを集め、東北の魅力を世界に発信するプロジェクトに関わっています。

先日行われたパリのイベント会場では東日本大震災時にきた津波の高さまでバルーンをあげて、いかに高い津波だったか直感的に伝えているチームもいたと言います。また、中高生が主体となり新商品開発の果物ゼリーを生み出すなど、地域の復興に直接貢献しています。

今後どうなるか分からない混沌とした未来を生きる力を身につける必要がある子どもたちに、実社会と触れ合う新しい学びを生みだしています。東北が復興する未来をつくるには、地域に戻るカッコイイ高校生を増やす必要があります。

 

地域の教育づくりの実体験を通じて

質疑

3人のゲストからの取組みの説明が終わると、次は質疑応答の時間となりました。最初はモデレータの久芳さんから質問が投げかけられ、そこからゲストの3人の貴重な実体験を聞くことができました。

久芳さん:
「皆さんの活動にあたり、困難なことは何でしたか?」

藤岡さん:
「最初は理解されませんでした。イメージがつかないと反対されます。イメージする場に視察に行ったり、イメージする場をつくり、イメージを共有できるように努めました。」

松本さん:
「保育園とカフェを一緒にする事は、過去に事例がありませんでした。ただ、一つ事例ができると他の地域にも広げることができます。地元の名士の方に事前に相談しにいく事も重要です。」

南郷さん:
「色々な人から怒られました。支援の関係者が増えれば、様々な事を言う人が増えるのは当然の事だとは考えています。」

 

藤岡さん:

「私から質問ですが、地域に貢献する人材を育てるときに意識していることはありますか?」

松本さん:
「戻りたくなるような、良い経験をした地域や保育園にすることです。卒園した子どもたちが、自分の子どもを同じ場所で育てたいと思うか、ですね。」

南郷さん:「ただ人数を増やすだけではなく、地域で生きている人が自分の街をより愛することが、結果として地域に人が集まることに繋がると考えています。」

 

2020年に向けた夢

久芳さん:「最後に質問です。2020年に向け、夢はありますか?」

藤岡さん:「海士町から追い出されたいですね。地元に帰ってきた高校生たちに、自分たちが代わりにやるから大丈夫だよ、と言われたいです。」

松本さん:「まちの保育園を誰もが真似できるように、仕組み化して広めていきたいです。」

南郷さん:「東京五輪の頃には、東北に来た世界中の人をあっと言わせる、驚くような街にしたいです。」

 

 

レポーターから一言

レポーター_児島

課題先進国である日本が抱える地方の課題に対して、教育の視点から改革を起こしているゲストの3人から貴重な話を聞くことができました。

またゲストの方は、様々な問題を抱ている多くの地方の問題に取り組むには、地域イノベーターとなる人材が足りていない、との事です。

2020年に向けて、日本を地方から変える活動に興味がある人は、いつでもご連絡をお待ちしております。

 

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