津田大介・家入一真と一緒に考える「未来の街アイデアソン(柏の葉)」イベントレポート

柏の葉

あなたが考える「未来の街」って、どんな街でしょう?
2014年9月23日に柏の葉オープンイノベーションラボ(KOIL)にて「未来の街を考える」アイディアソンが行われました。今回のイベントでは、参加者が持っている技術や特技を活かして、街をもっと魅力的に育てるアイデアを考えてきました。

国内最大規模のスマートシティ「柏の葉」

今回アイディアソンが行われた千葉県・柏の葉は、住民のスマートフォンやタブレットに1日のCO2排出量を表示させたり、ウェアラブルデバイス等でライフログを取得し、ネットワーク経由で健康管理を促したり、そんな未来の生活が実際に始まっている国内最大規模のスマートシティです。

スマートシティでは、少子化、高齢化、エネルギー問題、環境問題など先進国の抱えるさまざまな課題を解決するため、企業や行政が計画的に街を設計しています。

 

多様な参加者で「未来の街づくり」のアイディアを生み出す

矢吹さん

また今回のイベントはアイディアソン・ハッカソン主催で有名な、HackCampの矢吹さんが担当されました。最初にHackCampの矢吹さんから、今回のアイディアソンのスケジュール・概要について説明がありました。

今回の参加者はなんと約80人です。初めてアイディアソンに参加されている方も多く、エンジニアやデザイナーだけではない多様な方が参加されていました。こういった多様な方が垣根を超えて交流することで、「未来の街づくり」の面白いアイディアが生まれていくのでしょう。

 

市民と三井不動産が一緒に街をつくる「柏の葉スマートシティ」

三井

次に、三井不動産株式会社の松井さんから、「柏の葉スマートシティ」についてお話がありました。2005年の筑波エクスプレスの開通に伴い、三井不動産が柏市民と一体となって柏の葉キャンバスの街づくりを行っています。

柏市は人口が約40万人で、柏の葉は柏市の一番北に位置してます。さらに日本で数少ない環境未来都市にも認定されています。そもそもスマートシティには、「環境にやさしい街」「健康にやさしい街」「新しい産業が生まれる街」の3つの特長があるといいます。このKOILは「新しい産業が生まれる街」の役割を目指して設立されました。

現状の柏の葉の課題は、「都心から電車で約30分程度と少し距離が離れていて、都心と比べると人が集まりにくい」ということでした。「今回のアイディアソンで、柏の葉に住みたくなるようなアイディアが出てくる事を期待をしています」と参加者へ期待のメッセージを投げかけていました。

 

ゲストの対談による「新しい街の育て方」

対談

続いては、メディアアクティビストの津田 大介さん、起業家の家入一真さんの2人で「魅力的な街ってどんな街?」というテーマでの対談が行われました。下記に対談の一部を抜粋して掲載しています。

津田さん(以下:津田):家入さんがコミュニティをつくる上で気にしていることは?

家入さん(以下:家入):国のセーフティーネットでは守りきれていない、居場所がない人のためにリバ邸というシェアハウスをつくる、といったまずは民間でできるコミュニティづくりから始めています。リバ邸は若い人の「駆け込み寺」としての役割を担ってます。

津田:もしミスマッチの人が入ってきた時は?

家入:入る事は基本OKにしています。1人ではできなくても、人が集まることで何かを生みだすことができますから。ただ、プロジェクトにコミットしないで、ただダラダラしている人はミスマッチなので出て行ってもらうようにしています。

 

津田:なるほど。ところで、家入さんは柏の葉に住みたいですか?

家入:正直…、綺麗だけど住みたくない(笑)「スマートシティ」っていうのにも違和感がありますね。

津田:スマートシティの違和感って?

家入:もちろん単語の意味は分かるけど、「血が通っている感じ」がしない。例を挙げると、海士町や神山町のような地方で話題になっている町は「血が通っている感じ」がしますよね。

津田:海士町や神山町、良いですよね。他にありますか?

家入:岡山県のバイオマスタウンとか…、津田さんは知ってます?

津田:長野県の小布施や長野市ですかね。地方の方が様々な属性の人が集まるので、面白い化学反応が起こりそうです。千葉でいえば松戸は、「MAD City(マッドシティ)」を名乗っていて面白い(笑)柏の葉は何が中心になるんでしょうね…。

家入:海士町では自分の意思で移住した、「想いがある人」が集まって自発的・積極的にプロジェクトをつくってますよね。

津田:そうですね。海士町に元一流企業社員だった優秀な人が集まっているのは、「地元の人が熱烈に歓迎している」という事も関係あると思いますよ。海士町に訪れた人を、地元の人が心から歓迎して移住を薦めてるそうです。柏の葉は「ららぽーと」などの施設もあるし、自然もあります。ただ、街の大学生が夜中まで「ワイワイ」できるような場所がなさそうですよね。

家入:そうですね。どういった人が柏の葉に住んでるんですかね…。

 

津田:最近になって空き家やシェアハウスが話題になって、増えていますよね。それは物件が貸し手市場になっているから、という背景から文化が生まれているんだと思います。柏の葉も、三井不動産さんが考えているスマートシティ戦略を進めながらも、地元の若者が自由にできる「場」や「文化」をどうつくるか、が大事だと思います。例えば音を出して騒いで良いような、ロックフェスが年に1回ぐらいあってもいいですよね。

家入:「祭り」は良いですよね。年齢とか肩書きとかを超えて活動できますし。

 

津田:コワーキングスペースってどう思います?

家入:場所を用意するだけでは、始まらないですよね。中にいる「人」「イベント」がないと…。海士町とスマートシティの違いでもありますが、「消費者」としてだけで、柏の葉に来るのは少し面白くないと思います。「生産者」として何かつくれる場がないと…。例えば、毎日お祭りをやるとか、台湾の夜市みたいに。後はアートイベントとかも良いですね。

津田:柏の葉は広場がありますから、活用できそうで良いですよね。東京には広場が少ないですし。

家入:広場、いいですね。広場みたいに自由に過ごせて「何者にもならなくて良い場所」があることは重要ですね。

津田:それに柏の葉の、都心から電車で30〜40分という距離感がちょうど良いですよね。

家入:そうそう。あとは、「プライベート」と「ノンプライベート」の空間が、上手く混ざっている場所があるといいなぁ。

津田:お…、もう時間ですね。最後に一言、街づくりに大事なことは何ですかね?

家入:そうですね…、やはり「血が通っている街」になるアイディアが生まれるといいですね。

 

いよいよアイディアソンがスタート

アイディアソンの流れ

2人の対談の後は、昼食の時間です。その後にいよいよ参加者による「柏の葉スマートシティに世界中から人を呼び込むには?」というテーマでアイディアソンが始まりました。

まず最初に、個人で紙にアイディアを出していきました。次に、2人組を組んでお互いのアイディアを話し合う事を数回行い、参加者のアイディアを混ぜながら共有していきます。

 

投票

次に、その時点で「良いな」と思ったアイディアを3つほど紙に書き出します。そして参加者のアイディアを全てテーブルの上に並べて、自分が気にいったアイディアに投票していきます。

投票の数が多かったアイディアと、「情熱枠」でやりたいアイディアがある人を合わせ、計10個ほど選ばれました。そしてアイディアを出した人が、壇上に立って参加者全員の前で自分のアイディアを順番に発表していきます。

 

プレゼンに向け

他の参加者は自分が気になるアイディアの人の元に集まり、最終的に9個のチームが誕生しました。まずは集まったチームで自己紹介してリーダーを決め、アイディアの良いところをお互いに言い合っていきます。

次にアイディアのターゲットユーザを決め、ユーザが体験するストーリーを考えていきます。各チームともわずか2分のプレゼン時間で自分たちのアイディアの魅力が伝わるように、最後の最後まで熱心にプレゼンの練習をしていました。

 

「未来の柏の葉」をつくる 9つのアイディア

今回のアイディアソンでは、最終的に以下の9つのアイディアが誕生しました。

  1. ソーシャルホワイトボード
  2. 柏の葉に住む権利あげます!
  3. テラタク(寺小屋+託児所)
  4. 大人の秘密基地
  5. Water Hallマンション
  6. 持ち寄り居酒屋
  7. ペットシティ
  8. 教員と異業種のマッチング
  9. ママ農園

 

どのチームのアイディア発表も2分間という短い時間でしたが、今日一日チームで考えたアイディアを分かりやすく魅力的に発表していきました。そして今回のアイディアソンでは、下記のチームが各賞を受賞しました。

  • イノベーション賞:「大人の秘密基地」
  • KOIL賞:「柏の葉に住む権利あげます!」
  • オーディエンス賞:「ペットシティ」「Water Hallマンション」

講評

最後の講評では、「どのチームも素晴らしいアイディアで全員に賞をあげたいぐらいです。」と、三井不動産の松井さんから絶賛のコメントが参加者全員に送られました。

 

アイディアソンの後は懇親会で新しい交流が広がる

交流会

アイディアソンが終わった後は、そのまま懇親会が行われました。参加者同士で交流して、新しい繋がりが生まれます。懇親会の最中には、参加者が自分の取り組みをプレゼンしていました。先日紹介した「AED SOS」の玄正さんも参加しており、現在実施しているクラウドファンディングについて支援の協力を参加者にお願いしていました。(現時点は目標の300万円に向けて、約半分の150万円。残り約1週間で達成に向けて頑張って欲しいですね!)

今回のアイディアソンのように市民も含めた多様な参加者が「未来の街」のありかたを考え、参加者同士が交流を深めて繋がることにより、柏の葉の「未来の街」の姿が少しずつ創られていくことでしょう。

 

レポーターから一言

レポーター_児島

私も「柏の葉」の名前は知っていたのですが、実際に訪れたのは初めてでした。KOILは大変立派なコワーキングスペースで、おそらく関東で有数の素晴らしい設備です。

しかし、その中に入る「人」「コミュニティ」「イベント」がまだ足りていないのかもしれません。今回の「未来の街」を考えるアイディアソンの様なイベントを地道に続けていくことで、多様な人が集まり、実際に街づくりの活動が生まれ、「未来の街」がつくられていくことを取材を通じて実感することができました。

 

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