日本のものづくりを加速させるコンテスト「第2回 Tech Planグランプリ最終選考会」イベントレポート

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「ものづくりの日本」を復活させる事はできるのでしょうか?
2014年9月21日に行われた、ものづくり特化型のビジネスプランコンテスト「第2回 Tech Planグランプリ最終選考会」に取材に行ってきました。

 

Tech Planグランプリとは、起業プラットフォーム「Tech Planter」で日本のものづくりを盛りあげる人材・チームを発掘し、育成することを目的として開催する、ものづくり特化型のビジネスプランコンテストです。選抜された国内10チームに加えて、シンガポールと台湾で実施したTechPlanグランプリから選抜された海外3チームも参戦しました。

 

また今回の最終選考会の審査員は、各界で著名な下記の7人です。 審査員 <審査員>

  • 株式会社ABBALab 代表取締役 小笠原治氏
  • 日本たばこ産業株式会社経営企画部部長 大瀧裕樹氏
  • AZAPA株式会社 代表取締役社長&CEO 近藤康弘氏
  • 株式会社日本政策金融公庫 創業支援部ベンチャー支援グループリーダー 永沼智佳氏
  • 株式会社浜野製作所 代表取締役 浜野慶一氏
  • 株式会社ユーグレナ 取締役経営戦略・経理財務・総務人事担当 永田暁彦氏
  • 株式会社リバネス 代表取締役CEO 丸幸弘氏

 

知識製造業人材を育成するプラットフォーム「Tech Planter」

丸 まず最初に株式会社リバネス代表取締役CEOの丸幸弘氏からの講演がありました。20世紀の「製造業」から、21世紀は「知識製造業」へと変化すると言います。そのために必要な知識製造人材を育成するプラットフォーム「Tech Planter」の取り組みにかける熱い想いについて説明がありました。

 

その後、今回の最終選考会に残った13チームが順番にプレゼン発表を行いました。

<最終選考会 参加チーム>

  1. PILE「小中学生のためのプログラミング教育プラットフォーム」
  2. Sixth sense「車の未来をつくるデバイス」
  3. Akerun「カギを自動で開閉するスマートデバイス」
  4. 制御工学研究室「飛行型パーソナルモビリティ」
  5. 犬パシー「犬の感情を可視化できるデバイス」
  6. マンマシンシナジーエフェクタ「操縦型ロボットとしてのパワー増幅マスタスレーブシステム」
  7. ampere「モバイル機器の充電体験を再発明する」
  8. UltraWind「次世代の冷却技術」
  9. EpiFaith「自動探知型注射器」
  10. ハイカイングスター「徘徊老人向け靴型ウェアラブルインターフェース」
  11. MOLCURE「分子生物学分野における IoTプラットフォーム」
  12. AKT技術研究所「材料科学からのものづくりひとづくり」
  13. U-Makers「新感覚エンターテイメント用プラットフォーム」

 

1.PILE「小中学生のためのプログラミング教育プラットフォーム」

1タブレットによる直感的なタッチパネル操作でビジュアルプログラミングをして、ロボットを簡単に動かすことができます。PILEはハード・ソフト・カリキュラムを全て提供して、小中学生が簡単かつ効果的にプログラミングを学習できるよう、プログラミング教育のハードルを下げます。

Q:何歳をターゲットにしてますか?(長沼さん)
A:主に小中学生をターゲットにしています。

Q:ソフトウェアだけでなく、ハードウェアの教育もしないんですか?(丸さん)
A:はい。将来的には考えています。

Q:チームが取り組んだ、きっかけは?(大竹さん)
A:自分自身がプログラミング体験に苦労した事から始まりました。またプログラミングだけでなく、論理的思考を身につけてほしいと考えています。

Q:ハードウェアのロボットを動かさないといけない必要性は何ですか?(永田)
A:実際にロボットが動く喜びを通じて、子どもたちに楽しくプログラミングを学ぶことが必要だと考えています。

 

2.Sixth sense「車の未来をつくるデバイス」

2 車の中でカーナビによるネットサービスが使えるのは最新の新車に限られる事が多いのが現状です。しかし、新車に比べて中古車市場の方が遥かに多く流通しています。旧型の中古車でも、ネットサービスに繋げることができるデバイス「Sixth sense」を提供します。

 

3.Akerun「カギを自動で開閉するスマートデバイス」

3 鍵が物理的な存在であるがゆえに、大きな問題が起こっています。工事不要のAkerunをドアに貼り付けるだけで、スマートフォンが鍵代わりになり、鍵を開閉できます。今後成長が予測されるシェアハウス・Airbnbなどの共有経済市場が広がることで大いに活用が見込めます。

Q:既にメディアや事業提携などで話題になっていますが、そもそもTech Planに応募した動機は何ですか?(浜野)
A:Tech Planに参加してから、急速に事業スピードが拡大していきました。

Q:既存鍵以外の取り組みはされますか?(小笠原)
A:まずは既存鍵の市場に取り組み、今後は既存鍵以外の市場にも展開を考えています。

Q:セキュリティは担保されていますか?(永田)
A:セキュリティ面でも安全なシステムにしています。

Q:スマホを忘れた場合はどうしますか?(丸)
A:普通の物理的な鍵でも開けることができます。

 

4.制御工学研究室「飛行型パーソナルモビリティ」

4 実際に、ロボットを積んで空を飛べる飛行型パーソナルモビリティを開発しました。将来的には、重心移動で実際に人が空を飛べるようにしたり、災害救助などでの活用も検討しています。

Q:無人化も考えてますか?(大瀧)
A:無人化・自動化も考えてます。

Q:将来的には、山登りにも活用できますか?(丸)
A:できます。

Q:資金を集められたらフルコミットしますか?(小笠原)
A:できれば、大学の研究開発でやりたいと考えています。

 

5.犬パシー「犬の感情を可視化できるデバイス」

5 動物の気持ちを見えるようにしたいと考え、犬用の心拍計をつくりました。犬がドキドキしていると赤く光り、安心していると青く光ります。将来的に生物の共感能力を拡張することを目指しています。

Q:犬の大きさや種類で変化は必要ですか?競合との差別化は?(丸)
A:犬パシーのアルゴリズムは犬種は選びません。将来的にはゲーム化することでプラットフォームをつくり、ユーザを囲いこむことも考えています。

Q:犬以外の用途は考えていますか?(永沼)
A:はい。人での活用など、他の用途も考えてます。

 

6.マンマシンシナジーエフェクタ「操縦型ロボットとしてのパワー増幅マスタスレーブシステム」

6 次世代ロボットで世界を変える想いを持っており、自分の身体のように人機一体で憑依して操作できるスレーブロボットを構想しています。操作者がスレーブロボットの環境に居て、スレーブロボットになって動いているかのような直感的な操作を実現できます。

Q:想定費用はいくらですか?(小笠原)
A:まずは1千万円から10億円程度の規模を想定しています。

Q:触覚の憑依はどう実現しますか?(永田)
A:操作時に身体にかかる重さで、感覚を憑依できます。

 

7.ampere「モバイル機器の充電体験を再発明する」

7 シンガポール大会選抜チームによる、携帯の充電体験を新しくするバッテリーケース「ampere」です。非接触型充電でケーブルを使用せずに、簡単に、しかも使いながらでもスマートフォンを充電できます。また、アプリによって充電のタイミングを自由に操作可能です。キックスターターでクラウドファンディングも予定しています。

Q:日本にバッテリーチャージャーは数多くあるが、差異化は何ですか?(永田)
A:非接触型充電を採用し、移動中でも快適に充電しながら操作できることです。

Q:洋服と一体にできますか?(丸)
A:もちろん技術的に可能ですが、洗濯に困りますよね(笑)ampereは移動中でも、かさばらないデザインにしています。

 

8.UltraWind「次世代の冷却技術」

8 台湾大会選抜チームによる、従来の冷却ファン製品よりも消費電力が低く、冷却効率も良く、ライフタイムも長い、冷却技術「UltraWind」です。二酸化炭素の排出量削減にも繋がる、地球に優しいクリーンな技術です。

Q:製品化への課題は?大量生産の場所は?今後の技術の向上余地は?(丸)
A:手作りなので、企業と提携しないと大量生産が難しいです。部品調達・生産は中国で行う必要があります。技術向上の余地としてはブレードの軽量化です。

 

9.EpiFaith「自動探知型注射器」

9 台湾大会で2位になったチームが自費負担して出場しました。注射をする場所が難しい箇所でも、自動で探知して安全に注射できる注射器「EpiFaith」です。今までの注射器によって発生するリスクがあった医療ミスなどの問題を解決します。

Q:どうやって自動探知するのですか?(永沼)
A:注射器が圧力の変化を探知し、自動ロックの装置によって神経まで突き刺さるリスクを防ぎます。

Q:薬事法や制度の問題はありますか?(浜野)
A:試作品で機能的な問題は解決していますが、人体で実際に試験するために時間と資金が必要です。

Q:なぜこれまで、この課題は解決できなかったと思いますか?(大瀧)
A:私たちは医療関係者が慣れている、従来の注射器通りの使い心地なので普及させる事ができると考えています。

 

10.ハイカイングスター「徘徊老人向け靴型ウェアラブルインターフェース」

10 認知症で徘徊するご老人の問題を解決するスマートシューズ「ハイカイングスター」です。GPS内蔵で徘徊老人の場所が分かり、一定距離以上離れるとSOSモードになって緊急通知してくれます。靴にLEDライドを搭載しており、夜間では光って目立たせることができます。さらに徘徊老人を発見した人が、スマホアプリでその方の個人情報を問い合わせることも可能です。

Q:光る靴が流行ると、徘徊老人かどうか分からないのでは?(浜野さん)
A:光り方の違いによって、異なるメッセージの意味を伝えることを考えています。

 

11.MOLCURE「分子生物学分野における IoTプラットフォーム」

11 研究分野では実験の準備にかかる時間が長い、という問題があります。Web上で実験ノートを作成し、実験機器をリモートで制御できる「SmartLab」です。「SmartLab」が導入・普及されることで、実験そのものを簡単に共有して、どこでも再現できるようになります。

Q:ビジネスモデルは?(丸)
A:ハードウェアは低価格で普及させ、ソフトウェアを一部有償にしてマネタイズを考えています。

Q:Tech Planグランプリに出場した目的は?(浜野)
A:コンテストに出ることで、ロボットをつくることの知見や、ロボットをつくる人とのネットワークが広がると考えました。

 

12.AKT技術研究所「材料科学からのものづくりひとづくり」

12原子が規則正しく存在している状態が単結晶です。新たに研究開発した新手法により、従来よりも技術者が安く・簡単に実験できるようになります。この新手法により、将来的に新素材産業に加速的な進化をもたらすことができます。

Q:宝石はつくれますか?(永田)
A:人造ルビーなど、簡単につくれます。

Q:従来の技術と比べて、どの程度低減できますか?(丸)
A:コストの試算にもよりますが、従来の10%以下にできることを見込んでいます。

 

13.U-Makers「新感覚エンターテイメント用プラットフォーム」

13 腕に取り付けた「eForce」が自分の力を入れた状態を判別し、直感的操作で新しい遊びを楽しめます。eForceと外部デバイス(ライトセイバー)やスマートフォンアプリとの連携も可能です。

Q:筋電センサーにこだわっている理由は何ですか?(小笠原)
A:筋電センサーを利用しているのは、直感的な操作を実現できるからです。将来的には他のセンサー利用も視野にいれています。

 

Tech Planterは「ゴールではなく始まり」

長谷川 全チームの発表を終え、審査員の審査の時間です。その間に株式会社リバネス執行役員CAOの長谷川氏から、Tech Planterは「ゴールではなく始まり」だと改めて話がありました。また、これからスタートアップを始める人に向けては「解決したい問題を明確にする」「仲間を見つける」「資本政策」「量産を見越した試作」の4つが必要だとメッセージを送りました。なお、10/10に「Tech Planter x Garage Sumida」で新しい取り組みについての発表があるとの事です。

 

第1回グランプリ参戦者のデジタル地球儀「Pulane」

湯村さん さらに第1回Tech Planterグランプリに出場した、合同会社PhysVis湯村さんのプレゼンもありました。湯村さんはTech Planterグランプリ出場後に合同会社PhysVisを設立し、スマートフォンの上で光るデジタル地球儀「Pulane」事業などに取り組んでいます。

 

企業賞・特別賞・最優秀賞の受賞チームは?

そして「非常に紛糾した」という長い審査を終え、最終的に下記の審査結果が発表されました。

<企業賞>

  • JT賞:犬パシー「犬の感情を可視化できるデバイス」
  • ABBALab賞:U-Makers「新感覚エンターテイメント用プラットフォーム」
  • AZAPA賞:PILE「小中学生のためのプログラミング教育プラットフォーム」
  • EY賞:Akerun「カギを自動で開閉するスマートデバイス」
  • Garage Sumida賞:MOLCURE「分子生物学分野における IoTプラットフォーム」

 

<特別賞>

  • ユーグレナ賞:AKT技術研究所「材料科学からのものづくりひとづくり」
  • リバネス賞:UltraWind「次世代の冷却技術」

 

<最優秀賞>

Tech Planter賞・副賞 JAL賞: MOLCURE「分子生物学分野における IoTプラットフォーム」

最優秀 最優秀賞を獲得したMOLCUREには事業投資500万円を受ける権利が与えられ、2014年12月に開催するシンガポール大会にも出場することができます。日本だけでなく、世界に広げる事ができる取り組みだと高い評価を獲得していました。

最後に審査員の方から「今回のTech Planterグランプリに出場したどのチームも甲乙つけがたい非常に高いレベルであり、これを機に日本初で世界に向けて巣立って欲しい」という熱のあるメッセージが参加者に届けられ、会場が興奮に包まれた状態でイベントが閉会されました。

 

レポーターから一言

レポーター_児島 今回のコンテストは参加者の提案するプロダクトの質が非常に高く、しかも情熱あふれるメンバーばかりでした。

日本がこれまでの「製造業」から、「知識製造業」に発展して世界で勝ち抜くには、こういった熱のあるコミュニティで人材を育成する必要性がある事を実感しました。

今回参加したチームがこのイベントをきっかけに世界に進出し、日本のものづくりを加速させる事を応援しています。

 

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